後戻りとは
治療後にメンテナンスを怠るとせっかく矯正したのに歯が元の位置に戻ってしまうリスクがあります。後戻りを防ぐには、矯正治療後にリテーナーと呼ばれる保定装置を装着する必要があります。
後戻りの原因
治療計画に問題がある
骨格に問題があるのに歯だけを移動しようとしたり、歯が並ぶスペースがないのに無理に歯を並べようとしたりすると、後戻りのリスクが高くなります。このような症例では抜歯など外科的な手術との併用が必要です。
歯根まで移動していないのに保定を始めた
抜歯して矯正する場合、抜歯で確保したスペースを閉じるときに歯根までしっかり閉じていないと、保定後に元に戻ろうとする力が大きく働きます。
リテーナーの装着方法を誤っている
リテーナーの選び方や使用方法に誤りがあると、後戻りを防ぐことができません。当院では、使用方法をご理解いただけるまで何度でも丁寧にご説明しております。
後戻りさせないために
矯正治療後、半年~1年ほどの間に後戻りしやすいので、リテーナーを正しく使用して後戻りを防ぐことが大切です。食事や歯磨きのとき以外は常にリテーナーを装着しましょう。定期的にチェックを受けていただき、問題がなければリテーナーの装着時間を少しずつ減らします。具体的には、3時間だけ外す、6時間だけ外す、就寝中だけ装着するといった段階を踏んで減らします。
保定期間は、歯を動かすのにかかった期間とほぼ同じです。ただし、個人差がありますので、歯科医師の指示に従って装着してください。
口腔内を清潔に保つ歯のクリーニング
矯正治療中は、矯正装置の影響で歯磨きが難しくなるため、口の中に汚れが溜まりがちです。そこで当院では、お口の中を清潔にしてむし歯や歯周病のリスクを抑える歯のクリーニングを行っております。
PMTCとは?
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、歯科医師や歯科衛生士が専門的な機器を用いて歯に付着した歯垢・歯石を除去したり、歯の表面を磨いて歯垢の再付着を防いだりする処置のことです。フッ素のペーストで仕上げてむし歯に強い歯を作るなど、良好な口腔環境を保てるように処置します。むし歯や歯周病の原因となる細菌は、バイオフィルムと呼ばれる膜を形成します。これは、歯磨きでは取り除くことが難しいため、定期的にPMTCで取り除くことが大切です。
歯のクリーニングの効果
歯のクリーニングを受けていただくと、歯に付着した汚れや着色を除去できます。口腔内の細菌の量が減少することで、むし歯や歯周病のリスクを抑えられると共に、口臭も改善されると言われています。
ホワイトニングもできます!
矯正治療終了後に歯を白くして、より美しい口元にしたいという方も多いです。
当院では、ホワイトニングも行えますのでお気軽にご相談ください。
ホワイトニングとは
ホワイトニングとは、歯の内側から色素を分解して本来よりも白くする施術です。歯の表面に付着した着色汚れは歯のクリーニングやPMTCで落とせますが、歯の内側の黄ばみは解消できません。ホワイトニングであれば、ホワイトニング薬剤の効果で歯が内側から白くなり、明るい口元へと導くことができます。
ホワイトニングの種類
ホワイトニングには、オフィスホワイトニングとホームホワイトニング、両方を併用したデュアルホワイトニングがあります。それぞれの特徴を踏まえて、患者さまに適した方法をご提案いたします。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行うホワイトニングです。歯にホワイトニング薬剤を塗って特殊な光を当てることで、歯の内側から色素を分解する方法です。高濃度の薬剤を使うため、1回の施術である程度の白さが手に入ります。一方で、ホームホワイトニングと比べて短期間で色が後戻りしやすいというデメリットがあります。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、ご自宅で好きなタイミングで行えるホワイトニングです。歯科医院で作ったマウスピースにホワイトニング薬剤を入れ、1日1~2時間の装着を2~4週間続けることで歯を白くする方法です。色の後戻りがしにくい一方で、歯を白くするのに時間がかかるというデメリットがあります。
デュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを並行して行います。オフィスホワイトニングで歯を短期間で白くして、ホームホワイトニングで色の後戻りを防ぎます。オフィスホワイトニングとホームホワイトニングのメリットを活かし、デメリットをカバーした方法と言えるでしょう。